蝶々夫人 第2幕
ピンカートンが蝶々さんの元を去り、アメリカに帰って3年。蝶々さんはピンカートンの「帰ってくる」という言葉を信じています。女中は、蝶々さんを心配していますが、蝶々さんは「彼は帰ってくる。信じて待っているわ」と言います。
「ある晴れた日に」は、蝶々さんが夢に見る、ピンカートンが帰ってきたときを想像して歌っています。
「ある晴れた日に」Un bel dì vedremo 歌詞と対訳
Un bel dì vedremo
levarsi un fil di fumo
sull’estremo confin del mare.
E poi la nave appare.
Poi la nave bianca
entra nel porto,romba
il suo saluto.Vedi?
È venuto!
Io non gli scendo incontro.
Io no.Mi metto là
sul ciglio del colle e aspetto,
e aspetto gran tempo
e non mi pesa,
la lunga attesa.
E uscito dalla folla cittadina
un uomo, un piccio! punto
s’avvia per la collina.
ある晴れた日に、見るでしょう
一筋の煙が立ち昇る
海の向こうの端で
そして、船が現れる。
やがてその白い船は
港に入り、音を鳴らし
挨拶するのよ。
彼が着いたのよ。
でも私は彼に会いに行かない
私は違う、そこに立つのよ
丘の端で待っているのよ
じっくり待つの
気にしないわ
長い待ち時間なんて
すると、町の人込みから
人がひとり、点のように
丘を目指して来る。
Chi sarà? chi sarà?
E come sarà giunto
Che dirà? che dirà?
Chiamerà Butterfly
dalla lontana.
Io senza dar risposta
me ne starò nascosta
un po’ per celia
e un po’ per non morire
al primo incontro,
ed egli alquanto in pena
chiamerà,chiamerà:
Piccina mogliettina
olezzo di verbena,
i nomi che mi dava
al suo venire.
Tutto questo avverrà,
te lo prometto.
Tienti la tua paura,
io consicura fede l’aspetto.
誰なの?誰かしら?
彼はどのように来るの?
何て言うの?何て言うのかしら?
彼は蝶々を呼び出す
遠くから
私は答えずに
隠れていましょう
いたずらが少しだけど
死なないように
最初の出会いで
彼は少し心配して
呼ぶわ。こう呼ぶの。
小さな奥さん。
バーベナの香りの君よ、
彼がくれた名前よ
彼がここに来た時に
すべて実現するわ。
あなたに約束するわ
あなたは心配しているけれど、
自信をもって待っているのよ。
「ある晴れた日に」の解説
「ある晴れた日に」の歌詞では、待つことは苦にならないという、蝶々さんの強い意志が感じられます。
また、それと同時に、詳細で情景が目に浮かぶような言葉選びは「どれほどピンカートンが帰ってくるのを夢に見たのだろう」と思わせる、蝶々さんのいじらしさがあります。