マノン・レスコー 第4幕
マノンとデ・グリューは、流刑地アメリカに向かいました。マノンの美しさがトラブルを呼び、ふたりは荒野をさまようはめに。デ・グリューは水を探しにマノンから離れ、マノンは薄暗い荒野でひとり。死の予感を感じて「一人寂しく」を歌います。
「一人寂しく」Sola, perduta, abbandonata【歌詞と対訳】
Sola, perduta, abbandonata …
in landa desolata!
Orror! Intorno a me s’oscura il ciel …
Ahimè, son sola!
E nel profondo deserto io cado,
strazio crudel, ah! sola abbandonata,
io, la deserta donna!
Ah! non voglio morir!
No! non voglio morir!
Tutto dunque è finito.
ひとりで、迷って、見捨てられた
荒野に!
恐いわ!空が私の周りを暗くしていく
ああ、私は一人!
そして、深い砂漠で落ちていく
ひどい苦しみ、ひとり捨てられて
私は、見捨てられた女!
ああ!死にたくない!
いいえ!死にたくない!
これですべてが終わったのね
Terra di pace mi sembrava questa …
Ahi! mia beltà funesta,
ire novelle accende …
Strappar da lui mi si volea; or tutto
il mio passato orribile risorge,
e vivo innanzi al guardo mio si posa.
Ah! di sangue s’è macchiato.
Ah! tutto è finito.
Asil di pace ora la tomba invoco …
No! non voglio morir … amore, aita!
平和な土地に、私には思えた
ああ!私の致命的な美しさが
新たな怒りに火をつけて
私を彼から引き離そうとした。今すべて
私の恐ろしい過去がよみがえり
私の目の前にまざまざと見えている
ああ!血で染まっている
ああ!すべてが終わった
平和な避難所を、今は墓を求めている
いいえ!死にたくない、愛しい人、助けて!
【解説】死ぬ間際に、墓を求めるマノン
Asil di pace…平和な避難所
tomba…墓
デ・グリューはマノンのために水を探しに出かけ、一人で薄暗い荒野に残ったマノン。過去の出来事への後悔、死にたくないという心の内が歌われています。