リゴレット・第1幕
リゴレットの「慕わしい人の名は」は、恋のときめきを歌う軽やかな歌です。ジルダは自宅のバルコニーで、さきほど会った男性を思い出し、恋に浸ります。ジルダが思い出すのは、この男。
マントヴァ公爵
私は、貧しい学生グァティエル・マルデです。
ただ「慕わしい人の名は」の裏には、醜い思惑がうごめいています。
- 男は学生ではなく公爵(既婚者)、しかも偽名
- ジルダの背後には、誘拐して公爵への貢ぎ物にしようとしている男たち
「慕わしい人の名は」の後に、ジルダは男たちによって誘拐されます。
目次
「慕わしい人の名は」Caro nome【歌詞と対訳】
Caro nome che il mio cor
festi primo palpitar,
le delizie dell’amor
mi dei sempre rammentar!
Col pensier il mio desir
a te sempre volerà,
e fin l’ultimo mio sospir,
caro nome, tuo sarà.
Gualtier Maldè!
私の心の中にある、親愛なる名前よ
初めて胸をときめかせた、
愛の喜びを
いつも私に思い出させてくれる!
想うたびに、私の憧れは
いつもあなたに飛ぶでしょう、
私の最後のため息まで、
親愛なる名前よ、あなたのものになります。
グァティエル・マルデ!
【解説】ジルダにとって、名前を知ることは「大切な意味」がある
お父さんの名前を教えて。家族について知りたいの。
私の名前なんてどうでもいい。
リゴレットはジルダが道化師の娘だと世間に明るみになれば、娘に何か被害が及ぶかも知れないと恐れています。
名前を知りたいと願った相手の名前が、偽名・・・
Caro nome 親愛なる名前
「親愛なる名前、グァティエル・マルデ!!」とジルダは歌います。父親の名前を教えてもらえないジルダが、大切な人の名前を呼べることに喜びを感じるのは自然なことです。
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