リゴレット 第2幕
宮廷の道化師リゴレットは、廷臣たちに娘のジルダが連れ去られたことを知り、公爵の屋敷に乗り込みます。
連れ去られたジルダと公爵が奥の部屋にいることがわかり、「娘を出せ」と叫びます。父の怒りと悲しみが伝わる、リゴレットのアリア「悪魔め、鬼め」です。
「悪魔め、鬼め」Cortigiani, vil razza dannata【歌詞と対訳】
Cortigiani, vil razza dannata,
Per qual prezzo vendeste il mio bene?
A voi nulla per l’oro sconviene,
Ma mia figlia è impagabil tesor.
La rendete! o, se pur disarmata,
Questa man per voi fora cruenta;
Nulla in terra più l’uomo paventa,
Se dei figli difende l’onor.
Quella porta, assassini, m’aprite!
Ah! voi tutti a me contro venite…
廷臣たちよ、卑劣で呪われた人たちよ、
私のものをいくらで売ったのか?
お前たちは金のためになんでもやるのだろう、
だが、私の娘は何物にも代えがたい宝なのだ。
娘を返せ!さもなくば、武器を持たなくても、
この手はお前たちに残酷になるだろう、
親は、この世で恐れるものなど何もない、
子供の名誉を守るためならば。
その扉を、悪人たちよ、開けるのだ!
ああ!皆で私を止めようとするのか…
Ebben, piango Marullo… Signore,
Tu ch’hai l’alma gentil come il core,
Dimmi tu ove l’hanno nascosta?
È là… non è vero?… Tu taci… ahimè!…
Miei signori… perdono, pietate…
Al vegliardo la figlia ridate…
Ridonarla a voi nulla ora costa,
Tutto al mondo tal figlia è per me.
Signori, perdono, pietà …
Ridate a me la figlia,
Tutto al mondo tal figlia è per me.
Pietà, pietà, Signori, pietà.
ええい、悲しいよ、マルッロ…旦那さん、
優しい魂を持ったあなたよ、
娘をどこに隠したか教えてくれないか?
そこにいる。そうではないのか?…黙るのか、悲しいかな!
旦那さんたちよ…お許しを、慈悲を…
老人に娘を返してくれ…
娘を返してくれても、何も問題ないだろう、
私にとって娘の存在は、この世の全てだ。
旦那さんたちよ…お許しを、慈悲を…
娘を返してくれ、
私にとって娘の存在は、この世の全てだ。
慈悲を、慈悲を、旦那さん、憐れみを。