モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」に出てくる、有名なアリアを一覧にしました。アリアはオペラでの登場順に紹介していきます。アリアを聞いていくことで、フィガロの結婚の内容を簡単に把握できます。
「Se vuol ballare Signor Contino」フィガロ
第1幕
フィガロとスザンナはもうすぐ結婚予定。ふたりは伯爵家に住み込みで働く使用人です。フィガロは、スザンナから伯爵が彼女に下心を持っているのを知らされます。フィガロが伯爵を懲らしめてやろうと誓う歌です。
踊りになりたければ、伯爵様。私が小さなギターを演奏しましょう。もし私の授業を受けるならば、宙返りを教えますよ。
すべてを明らかにするには知らないふりがいい。ここで突き刺し、あっちでからかう。すべての計画をひっくり返してやる!
「Se vuol ballare Signor Contino」の歌詞と解説
「自分で自分がわからない」ケルビーノ
第1幕
ケルビーノのアリア「自分で自分がわからない」です。伯爵の小姓であるケルビーノ。ケルビーノはスザンナの部屋を訪れて、若さゆえに持てあます愛への情熱を歌います。
自分が何者で何をしているのか、わからない。今は炎になり、同時に氷になる。すべての女性が、僕をときめかせる。
「もう飛ぶまいぞこの蝶々」フィガロ
第1幕
フィガロによる「もう飛ぶまいぞこの蝶々」です。歌詞の「蝶」はケルビーノを指します。イタリア語の「蝶」には、浮気者、伊達男、おしゃれ好きの意味があります。ケルビーノは伯爵を怒らせてしまい、軍隊へ入ることを命じられます。フィガロが、軍に入るケルビーノをからかう歌です。
愛の蝶よ。昼も夜も飛び回って、女の心をかき乱すことはもうできないぞ。お前はもう着飾る必要はない。
兵士たちの中に行け!踊る代わりに泥の中を行進するのだ。ケルビーノ、勝利に向かって進め!軍隊の栄光に向かって進め!
「Porgi amor」伯爵夫人
第2幕
伯爵夫人は、夫である伯爵の浮気に悩んでいます。オペラ「フィガロの結婚」の中で、伯爵はスザンナ、バルバリーナ(庭師の娘)に手を出そうともくろんでいます。
私の悲しみに安らぎを与えて下さい。愛の神よ。私に愛する人を返してください。さもなくば、せめて私を死なせて下さい。
「恋とはどんなものかしら」ケルビーノ
第2幕
ケルビーノが、伯爵夫人とスザンナに「愛とは何か教えてほしい」と尋ねる歌です。
あなた方は愛とは何かを知ってますよね。女性の方たち、僕の心を見てください。僕が感じてることをあなた方に言いましょう。僕にとって初めてのことなので理解できないのです。
「伯爵のアリア」伯爵
第3幕
伯爵はスザンナとフィガロの立ち話を聞いてしまいます。自分が罠にかかったのでは?と憤りを感じている歌です。
「あなたはすでに訴訟に勝ったのよ」だと!どういうことだ!どんな罠に私は落ちたのだ?忠誠心のない奴らめ!私はあいつらを罰したい。私の好きなように判決を下してやるぞ。
「伯爵夫人のアリア」伯爵夫人
第3幕
伯爵夫人がかつての幸せな日々を思い出して、夫の浮気に悩む今の状況を嘆きます。
楽しかった時間はどこへ行ったのか?誓いはどこへ行ったのか?涙と悲しみの中で私にはすべてが変わってしまったのに、あの幸せな思い出は私の心の中から消えてしまわなかったの?
「手紙の二重唱」伯爵夫人とスザンナ
第3幕
浮気者の伯爵をおびき出すために、伯爵夫人とスザンナは伯爵を呼び出す手紙を書きます。とても有名な二重唱で、映画「ショーシャンクの空に」で使用されています。
「なんと柔らかな西風が…」
「西風が… 」
「スザンナのアリア」スザンナ
第4幕
夜の伯爵家の庭。伯爵を懲らしめるため、伯爵夫人とスザンナの計画が進行中です。計画を知らないフィガロは、スザンナが伯爵と浮気をすると思い、彼女を見張っています。スザンナは隠れているフィガロに気が付き、わざと伯爵への愛を歌います。
憧れの人の腕の中で安心して楽しめる時が来たのね。臆病な心配よ!私の胸から出ていって!私の喜びの邪魔をしに来ないで!来て、愛しい人、この隠された木立の中へ。あなたの額にバラの冠を乗せたいのよ。