アドリアーナ・ルクヴルール 第1幕
「私は創造の神の卑しい僕」は、ソプラノ歌手によって歌われる機会の多いアリアです。Genio creator(創造の神)が誰であるかを歌詞の内容やオペラから推測してみました。
目次
「私は創造の神の卑しい僕」Io son l’umile ancella【歌詞と対訳】
lo son l’umile ancella del Genio creator:
lei m’offre la favella, io la diffondo ai cor.
Del verso io son l’accento, l’eco del dramma uman,
il fragile strumento vassallo della man.
Mite, gioconda, atroce, mi chiamo Fedeltà:
un soffio è la mia voce, che al novo dì morrà.
アドリアーナ
私は創造の神の謙虚なしもべ。
それは私に言葉を与え、私はそれを人の心に広める。
私は詩のアクセントであり、人間ドラマのこだまであり、
人の手で操られる壊れやすい楽器だ。
穏やかに、戯れで、非道な、私の名は忠実。
吐息こそ私の声、新しい日には消えてしまう。
【解説】創造の神って誰?
Genio…天才、神
creator…創造主、作り手
劇中に、ピエール・コルネイユの「バジャゼ」(第1幕の劇)ジャン・ラシーヌの「フェードル」(第3幕でアドリアーナが演じる)が出てくるので、フランスの古典劇作家であるコルネイユやラシーヌを指していると思います。
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