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蝶々夫人【愛の二重唱】歌詞|Vogliatemi bene

蝶々夫人【愛の二重唱】歌詞|Vogliatemi bene

蝶々夫人 第1幕

蝶々さんは、アメリカ人のピンカートンと結婚するに当たり、「新しい生活には新しい信仰を」と改宗する。改宗をとがめられ、親戚一同から蝶々さんは勘当されてしまった。

夕暮れに、蝶々さんはピンカートンに慰められる。夜の衣装に着替えた蝶々さんとピンカートンが、庭先から夜空を見上げる場面で歌われるのが、「愛の二重唱」です。

「愛の二重唱」で大切なポイントは、最初に出てくる、ピンカートンの歌詞「百合の衣装を着ている蝶々さん」という表現です。「蝶々夫人」の次の展開で出てくる言葉なので、覚えておくといいですよ。

目次

「愛の二重唱」Bimba dagli occhi pieni di malìa 歌詞と対訳

「愛の二重唱」は長いので、前半と後半に分けています。

「愛の二重唱」前半 Bimba dagli occhi pieni di malìa

Bimba dagli occhi pieni di malìa
ora sei tutta mia.
Sei tutta vestita di giglio.
Mi piace la treccia tua bruna
fra i candidi veli.

ピンカートン

魅力あふれる瞳をもつ少女。
今、あなたはすべて僕のものだ
百合のような衣装を着ている
僕は、あなたの結い込んだ黒髪が好きだ。
白いベールの中から見える

Somiglio la Dea della luna,
la piccola Dea della luna
che scende la notte dal ponte del ciel.

蝶々さん

私は月の女神のようです。
月の小さな女神は
天の橋から夜に降りてくる。

E affascina i cuori…

ピンカートン

そして、心を魅了する。

E li prende e li avvolge
in un bianco mantel
E via se li reca
negli alti reami,

蝶々さん

そう、それを取り、包むのです。
白い布の中に
そして、去っていく。
遠い世界の領域へと

Ma intanto finor non m’hai detto,
ancor non m’hai detto che m’ami.
Le sa quella Dea le parole che appagan gli ardenti desir?

ピンカートン

でも、まだ言ってくれない。
あなたはまだ、私に愛していると言っていない。
女神は熱烈な欲望を満たす言葉を知っているのか?

Le sa. Forse dirle non vuole
per tema d’averne a morir,
per tema d’averne a morir!

蝶々さん

知っています。言いたくないのです。
死を恐れているのです!
死を恐れているのです!

Stolta paura, l’amor non uccide
ma dà vita e sorride per gioie celestiali
come ora fa
nei tuoi lunghi occhi ovali…

ピンカートン

愚かな恐怖だ、愛は殺さない
それは、天の喜びに命を与え微笑む。
ちょうど今
あなたの切れ長の瞳に。

Adesso voi
siete per me
l’occhio del firmamento.
E mi piaceste dal primo momento
che vi ho veduto.

Siete alto, forte.
Rideste con modi si palesi
e dite corse che mai non intesi.
Or son contenta, or son contenta.

蝶々さん

今、あなたは
私にとって
大空の中心です。
そして、私は最初からあなたが好きでした。
あなたに会ったときから

あなたは、背が高く、強い。
とても素敵に笑います。
そして、私が知らなかったことを話します。
今、私は幸せです。今、私は幸せです。

「愛の二重唱」後半 Vogliatemi bene

Vogliatemi bene,
un ben piccolino,
un bene da bambino,
quale a me si conviene.
Vogliatemi bene.

Noi siamo gente avvezza
alle piccole cose
umili e silenziose,
ad una tenerezza
sfiorante e pur profonda
come il ciel, come l’onda del mare!

蝶々さん

私を愛してくださいね
ささやかに
子供のようにうまく
私にふさわしいように
私を愛してください。

私たちは慣れています
ささやかなことに
慎ましさに、静かさに
やさしさに包まれている
しみじみと優しく
空のような、波のような

Dammi ch’io baci le tue mani care.
Mia Butterfly! come t’han ben nomata tenue farfalla…

ピンカートン

可愛い手にくちづけさせてくれ
僕の蝶々!よくぞ名付けた、優しい蝶々。

Dicon che oltre mare
se cade in man dell’uom,ogni farfalla
da uno spillo è trafitta
ed in travola infitta!

蝶々さん

海の向こうでは
人の手に落ちれば、すべての蝶が
ピンで刺されて
打たれる!

Un po’ di vero c’è.
E tu lo sai perché?
Perché non fugga più.
Io t’ho ghermita
Ti serro palpitante.
Sei mia.

ピンカートン

その中には真実がある。
でも、なぜかわかるか?
もう逃がさないためにだ。
僕はあなたを捕まえた
ドキドキしながらあなたを抱きしめよう。
僕のものだ!

Sì, per la vita.

蝶々さん

はい。一生です。

Vieni, vieni!
Via dall’anima in pena
l’angoscia paurosa.
È notte serena!
Guarda: dorme ogni cosa!

ピンカートン

おいで、おいで!
悩む魂から遠く離れよう
恐ろしい不安から
晴れ渡った夜だ!
ごらん、すべてが眠っているよ!

Dolce notte!Quante stelle!
Non le vidi mai sì belle!
Trema, brilla ogni favilla …
… col baglior d’una pupilla!
Oh! quanti occhi fissi, attenti
d’ogni parte a riguardar!
pei firmamenti, 
via pei lidi, via pel mare!
Quanti sguardi ride il ciel!

蝶々さん

甘い夜!たくさんの星!
こんなにきれいなのは初めてよ。
どの星もキラキラ輝いて、
瞳の輝きのように
どれほどの瞳がみているのだろう。
あちこちから視線を浴びる
大空を駆けて
大地を越え、海を越え
空はどれほどの瞳が笑っているのだろう。

vien, Ah! vien! sei mia!

ピンカートン

おいで!あなたは僕のものだ!

「愛の二重唱」の解説

ピンカートンが、歌詞の中で「百合の衣装を着た人」というのに対し、蝶々さんは、ピンカートンを「あなたは大空の中心」と言います。この夜の後、「大空の中心である、ピンカートン」から「バラの花の、ピンカートン」に変わります。

この「愛の二重唱」の後、ピンカートンは、蝶々さんの元を去るときに「バラの花をもってくるよ」と言って去ったからです。(去るところは、オペラでは表現されません。たぶん、このように言ったはず。)

ピンカートン

しばらくお別れだ。戻るときにバラの花を持って帰るよ。

蝶々さんは3年間、ピンカートンがバラの花を持って帰ってくるのを待ちます。いろいろあった末、蝶々さんは自害をするとき、「かわいい坊や」の歌詞の中で、自分の息子を「百合とバラの花」と呼ぶのでした。

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